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済州には二つの海がある。美しい海と好きな海だ。海によって雰囲気は異なり、好みに合わせて海を発見できる喜びが済州の海にはある。セファ(細花)、キムニョン(金寧)などの東の海は自由に満ちたボヘミアンスタイルなら、ヒョプチェ(挟才)、パンポ(板浦)などの西の海は見ているだけで朗らかで愉快だ。そのなかでも多くの人に愛されている海が、ヒョプチェ(挟才)海水浴場だ。

飛揚島を抱くヒョプチェ(挟才)海水浴場は、クムヌン(金陵)海水浴場の真横にあり、傾斜が緩やかで水深が浅く、干潮時には銀色の砂浜が神秘の絨毯のように海へ向かって走る。人々の想像力を刺激するためか。家族連れ旅行客からヒップな旅行客まで、様々な人が一つの海の前に調和する。ドラマ「私たちのブルース」のキム・ウビンとハン・ジミンの初々しい恋の舞台もこの近くだ。

ユネスコ世界ジオパークに認定された済州の独特な地形を背に一生残る写真を撮りたいなら、絶対に見逃せないスポットがある。ヨンモリヘアン(龍頭海岸)一帯とサゲ(沙渓)浦までのソルクムバダンは、茶色い砂と黒い砂が固まった茶色と黒い砂の岩の間がぼこぼこ穴あいた異国的なスポットだ。

丸い岩石の下で海水が循環されることで形成されたファンウジ(黄牛地)海岸は、エメラルドの海を抱いている。鶏が土を掘ってその中に座っている様子に似ていることから名付けられたタクモル海岸道は、美しい海岸線と夕焼けを撮れる最高のスポットだ。

昔の人々は、冬の夜に長寿祈願のため西帰浦に浮かぶカノープスを探し、夏には滝水を浴びるために列をなした。300ｍほど離れたチョンバンポクポ(正房滝)に比べて規模は小さいが、水が海に直接流れ落ちる様子が珍しいソジョンバンポクポ(小正房滝)。

滝の高さは7mと低いが、中元(旧暦7月15日)に滝から落ちる水を浴びると一年中健康だという俗説があり、水浴びスポットとして愛されている。この水を浴びると神経痛に効くと言われているが、水が冷たく長時間浴びられないのは残念だ。済州オルレ6コースの中間にある。

漢拏山に落ちた雨水のほとんどは土に染み込み、土の中で長時間耐えた末に流れ、最終的に太初の水のようにきれいに浄化された状態で再び世に出てくる。

このように、漢拏山に染み込んだ雨水が帯水層を流れて海辺の村で湧き出るのを湧泉水という。地下に長期間たまった水は氷のように冷たく、これを活かした銭湯や夏の水遊び場がある。ノンジッムル、三陽セッタリムル、道頭オレムルなどが有名だ。

海水浴、サーフィン、日光浴、潮干狩りなど済州の海を多彩に楽しむ方法のなかでも最近最も人気なのは、済州の内面を見て済州の海と一つになれるダイビングだ。国内外から毎年10万人が訪れるスキューバダイビングの名所となっている済州は、韓国の海の生態に熱帯の海の要素が加わった独特な雰囲気を誇っている。

特に、スキューバダイビングのメッカと呼ばれている西帰浦沖では、ウミトサカ群生地をはじめ、済州固有種、さまざまなサンゴ、健康な海洋生物を見られる。

済州が抱く島のうち最も美しい島と言われているウド(牛島)。島の中にあるもう一つの島のウド(牛島)が、オーストリア最高作家の作品を抱いた。力強く大胆な線で有名なオーストリアを代表する作家、建築家、環境運動家のフンデルトヴァッサーをテーマにした建築物が、ウド(牛島)に設置された。

フンデルトヴァッサーパークは、フンデルトヴァッサーミュージアム、リゾート空間のフンデルトヴァッサーヒルズ、ギャラリーカフェが集まった複合空間である。節制と余白が特徴の東洋画のようなウド(牛島)を背景にして西洋芸術が合わさり、ウド(牛島)はいつものように芸術だ。

いつでもどこでも素敵な夕焼けの唯一の短所は、すべての風景を一つの色に染めて風景の質感まで画一化させてしまうことだ。しかし、シンチャン(新昌)風車海岸道路はちがう。海、東屋、風力発電機、当代、石たちが夕焼けの圧倒的な力の前でもしっかり自らの形態と質感を保つ。夕焼けを浴びた固有の質感はむしろ神秘的なオーラまで醸し出す。

その間を歩く人々は誰でもモデルになり、誰でも風景の一部になれる。そのため、シンチャン(新昌)風車海岸道路の夕焼けを前にすると、誰もが詩人になる。特に、海沿いに沿って並ぶ風力発電機を通過するドライブコースも異国的だが、その終わりに広がる遮帰島の風景は芸術そのものだ。空気が澄んだ快晴の日に、遮帰島とスウォルボン(水月峰)の夕暮れ写真を撮るために四方から集まってきた写真作家と旅行客で賑わうのはこのためだ。

夏の済州はキャンプ族にとって天国だ。トンネコ野営場、モグリ、キョレ(橋来)自然休養林など済州の森を楽しめるキャンプ場から、金寧、和順里、クンモレ(金色砂)、下摹海辺など海辺のキャンプ場まで、好みに合わせて選べる。

済州の夜は退屈だというのは昔話だ。済州の夜を明かす多彩な試みが力を発揮している。済州観光協会では、梨湖テウ灯台、道頭峯トレッキング、オヨン海岸道路、山地川、トンムン(東門)伝統市場をつなぐ夏のテーマコースとしてヤバム(夜間)バスを運営している。

平均22年間土の中にとどまりフィルタリングされた済州の地下水は、韓国で最も上質な水だ。済州の地下水は、火山岩の帯水層でつくられる火山岩盤水なので、ミネラルが豊富だ。また、硬度が低い軟水で弱アルカリ性なので、コーヒーやお茶にしても絶品だ。

済州では、このような天然地下水の特性を生かしたさまざまなドリンクが開発されている。済州の清浄さを味わえる三多水は、韓国最高の水の味を誇るロングラン商品だ。酒の味は水の味によって決まることを悟るのは、70年伝統の漢拏山焼酎の一杯を味わった瞬間、または全国で人気のクラフトビール済州ビールを飲んだ瞬間だ。

漁師たちが海へ労働に出た中、しばらく槍を出して、取った魚にご飯を入れて水に浸した食事がムルフェだ。だからムルフェは漁師たちがしばらく息をついてエネルギーを充電できる健康なファーストフードであり、漁師たちの魂まで癒すソウルフードだ。

こうしてできたムルフェが、美味しくないわけがない。夏の済州の海で採れたヤリイカ、アワビ、ホンソラ、ウニなど新鮮な海鮮に各種野菜と涼しい味付けのスープがひとつになったムルフェは、旅行客が抱えてきた様々な悩みまでも洗い流せる真のソウルフードだ。