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済州の東にある坪岱里(ピョンデリ)は日出を眺めるのにおすすめのポイントだ。闇を照らす朝の光が坪岱里の海を赤く染め、一日の始まりを告げる。柔らかい朝日が輝くこの時間が散歩に最適のタイミングだ。甘水窟(カムスグル)の石垣道へ足を向けてみよう。済州島らしい風景が楽しめる石垣道を散歩しながら、爽やかな朝の空気を胸いっぱい吸い込んで、体のスイッチをオンにする。さあ、今日も素敵な一日を過ごそう。

周辺観光地 : 坪岱里海水浴場, 成林寺

漢拏山の中腹にある小さな寺院、曉明寺(ヒョミョンサ)の周りには、森の精霊が住む深緑の空間が広がっている。鬱蒼とした森の奥に佇む曉明寺の山神閣を通りすぎ、お堂の脇の階段を降りていくと、青々とした苔に覆われたアーチ型の門が見える。石段から門の周辺まで一面緑の光を発している。門をくぐった先はこの世なのかあの世なのか、不思議な感覚に襲われる。「天国の門」「苔の門」と呼ばれるこの門は、まだ人々に知られていない済州の隠れた名所だ。

周辺観光地 : 善徳寺

旅行に来たらやはりショッピングは外せない。済州島内にある済州観光公社の2個所の免税店、 中文観光団地内ICC済州国際コンベンションセンターに位置する中文免税店と、神話ワールド内に位置する市内免税店で思い切りショッピングを楽しむのはいかがだろうか。毎月セールイベントがあるが、秋夕が近づく９月は特別なキャンペーンが準備されている。免税店で欲しいアイテムがあるなら、この機会を逃す手はない。ちなみに、2箇所に免税店は対象とする顧客を異にしているので気をつけてほしい。中文免税店は国内線を利用して済州から韓国内の他地域に移動する韓国人および外国人を対象とした免税店で、神話ワールド内の市内免税店は国際線を利用して韓国国外に出国する韓国人および外国人を対象とした免税店である。したがって、日本からの直行便を使って済州島に来た方は市内免税店のみ利用可能で、仁川空港や釜山空港などを経由して済州島に来た方は、中文免税店および市内免税店の両方が利用可能ということになる。免税店は年中無休なので、旅行の日程に合わせてショッピングを楽しんでほしい。

「クァジュル」は済州伝統の韓菓(ハングァ)で、昔は麦粉の生地を揚げたものに甘い蜜を塗ってから、粟のポン菓子をまぶして作っていた。最近では生地にミカン果汁を練り込んで作っており、済州島の名物として観光客の間でも人気になっている。クァジュルは甘すぎないため飽きが来ず、健康的なおやつだ。ミカンの香りのクァジュルを製造販売している新孝生活改善会、下孝サロンでは「ミカンの香りクァジュル作り」を体験できるプログラムがある。

秋の訪れた済州島を360度見渡せる場所、 文道之(ムンドジ)オルム。美しい済州の風景を全身で受け止めながら、海に沈む夕焼けを眺めることができる。オルレ14-1コースにも入っているこのオルムは、頂上まで15分もあれば登れる。高さはないが、頂上に立って周囲を見渡すと、トルオルム、タンオルム、マジュンオルムなどが眺められ、足元にはコッチャワルの森林が広がる風景が楽しめる。

周辺観光地 : 楮旨コッチャワル, 楮旨文化芸術人村

西帰浦(ソギポ)天文科学文化館、済州ビョルビッヌリ公園では、済州の夜空に輝く星を観測することができる。展示室とプラネタリウムでは星座や天文学について学び、観測室では天体望遠鏡で星を眺めながら宇宙を近くに感じよう。季節によって観測できる星が異なるので、この時期に見られる星座を学習してから探してみるのもおすすめだ。西帰浦天文科学文化館では9月1日から「西帰浦科学文化祭典」が開かれる。各種科学体験ブースが設置され、科学クイズ、ロケット発射実験などのイベントで科学を身近に感じることができる。

丘を埋め尽くすように咲いた白いそばの花が、秋の風に揺られて舞っている。この様子が海風が作り出す波しぶきに似ていることから、漁師たちは白い波しぶきが立つと「そばの花が咲いた」と言うそうだ。済州は韓国最大のそばの産地だ。済州島の痩せた土地でもよく育つことから古くから栽培され、済州の郷土料理であるピントクや、キジそばの麺などにも使われている。特に吾羅洞(オラドン)のそば畑は30万坪面積に白い花が咲き、全国最大の規模の景観を誇る。

朝鮮戦争という激変の時代の中、画家の李仲燮(イ・ジュンソプ)が家族とともに過ごした西帰浦での暮らしはわずか11ヶ月という短い期間だった。貧しい生活であったが、幸せな思い出ばかりが残っていると、後に彼が回想している。この時期の李仲燮の絵は、島、犬、魚、子供などを素材とした温かく楽しい雰囲気の作品が多い。西帰浦市は彼の芸術活動を称える目的で李仲燮文化通りを作り、住んでいた家を復元し、李仲燮美術館を建てた。李仲燮美術館では「牛、愛するすべてのもの」特別企画展が10月7日から開かれる。また、9月6～8日 には、李仲燮誕生100周年記念創作オペレッタ「李仲燮」が西帰浦芸術の殿堂大劇場で公開される。

9月1日の召吉里(ソギルリ)「召吉青柿エコパーティー」を皮切りに、9日には下禮1里(ハレ1リ)「ヒーリング下禮エコパーティー」、12日には漢南里(ナンナムリ)「モチェワッエコパーティー」、29日には楮旨里(チョジリ)「楮旨コッチャワルエコパーティー」が開かれる予定だ。それぞれのエコパーティーの代表的な体験は、召吉里の青柿天然染め、下禮1里の孝敦川トレッキング、漢南里のモチェワッ林道トレッキング、楮旨里のコッチャワルの森林探訪だ。ガイドの話を聞いて村の歴史や文化を学び、村ごとの特色がある体験活動を楽しむエコパーティー。ローカルフードが食べられるのも魅力だ。済州の各地で開かれるエコパーティーは、済州「タムナオ」で予約可能で、毎回先着50名まで受け付けている。

脂がのって美味しい済州島の秋鯖は刺し身でいただくのがおすすめだ。旨みたっぷりの鯖の脂が口の中で溶けるように広がり、絶品だ。また、済州島ならではの珍味に「鯖ヘジャンクッ」がある。ヘジャンクッとは二日酔いの解消に良いとされる韓国のスープだが、牛肉や鱈、豆もやしなどの具材が多く、鯖を使ったものは珍しい。もともと鯖を使った汁物や粥は、楸子島(チュジャド)から伝わった料理だという。鯖ヘジャンクッは11年前に楸子島出身のソンミ食堂の主人が作ったのが始まりで、現在まで人気を集める特別メニューとなっている。済州産の鯖と鰆を骨ごとおろし、豆もやしなどと合わせて煮込んだ辛いスープは、一度食べてみる価値がある。