VISIT JEJU

こちらはペット同伴不可となります。ご了承ください。

ヨンモリ海岸は、山房山の裾野から海岸へと伸びる場所に位置する。まるで海の中に入っていく龍の頭に似ていることから、ヨンモリ海岸と呼ばれる。何千万年もの歳月をかけて層をなして積み重なった砂岩の岩壁が、波に削られて独特の絶壁を形づくっている。波に打たれ、秘密の部屋のようにぽっかりとえぐれた洞穴や、岩壁が宿す波の跡は、長い歴史と向き合う壮大さを感じさせる。長さ30~50mの断崖がうねるように連なる壮観は、CMや映画のロケ地として利用されたことがある。

海食崖の前には、幅は狭いが平坦な波食台が広がり、ヨンモリ海岸をぐるりと巡る遊歩道になっている。一周するのに約30分かかる。ただし、悪天候や満潮時は危険性が高く立入禁止となるので、訪れる前にあらかじめ観覧可能な時間を確認しよう。西帰浦市の公営観光地インスタグラム（@6sot_official）で、潮の時間や気象状況に合わせて毎朝見学可能な時間帯を確認できるので、訪れる前に参考にしよう。砂岩層に沿って歩くと出てくる海岸一帯では、海女が簡易の売り台を並べて海産物を販売している。

近くには、オランダ人ハメルの船が難破して漂着したことを記念する「ハメル漂流記念碑」がある。ハメルは朝鮮で13年間抑留されたのちオランダへ帰国し、西洋社会に朝鮮という国を知らしめた人物だ。記念碑は1980年に韓国国際文化協会と在韓オランダ大使館が共同で建立したものだ。

ヨンモリ海岸には、次のような有名な伝説が伝わっている。

ヨンモリの勢いは、済州で天下を治める王が生まれる気運を宿していたと伝えられている。中国の始皇帝はこのことを知り、風水師の胡宗旦を済州島に送り、王の誕生を阻もうとした。済州島にやって来た胡宗旦は、旧左邑の終達里から済州島の地形や地勢を詳しく見渡し、まさに王が現れる気運だと感じて、「穴」を断ち始めた。彼は龍の頭にたどり着くと、海へと伸びようとする龍の尾をまず切り、続いて龍の背に飛び乗って打ち下ろした。そして、前へ走り出して龍の首を切り落とそうとした瞬間、赤い血が噴き上がり、山房山がうめき声を上げ、数日間、雷鳴と稲妻が鳴り響いた。そうして済州島に王が生まれる勢いが折れると、見守っていた山も海も悲しげに泣いたと伝えられている。