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済州島東部の海岸にぽっこりと突き出たソプチコジは、城山日出峰を背景にした海岸の景色が絶景だ。入口にある新陽海岸の白い砂浜、高い丘の平原に広がる菜の花畑、のんびり草を食む済州の小馬たち、岩に囲まれた海岸絶壁、そして伝説が息づくソンドルバウィ（立岩）などは、まさに典型的な済州の風景だ。

特に済州の他の海岸とは異なり、「ソンイ」と呼ばれる赤い火山灰でできており、潮の満ち引きに合わせて海に沈んだり姿を現したりする奇岩怪石は、どこでも見られない自然の水石展示会を演出している。 

蒸し暑い夏の夜は、夜の散歩もおすすめだ。昼の暑さがひと息ついて散歩にちょうどいいのはもちろん、遊歩道のあちこちに配置されたほのかな照明と虫の音が、どこかロマンチックな雰囲気を醸し出す。昼とは異なる魅力を湛えた水石たちと、漆黒に染まった海の上をゆらゆらと漂う船の灯りを眺めるのも、また格別だ。

ソプチコジの「ソプチ」とは、多くの才士を輩出する土地という意味で、「コジ」は陸地から海へぽっこりと突き出た「岬」を意味する済州方言だ。 

火山石の丘の灯台のそばでは、朝鮮時代に外敵の襲来を知らせるために使われた烽火台を見ることができる。高さ4m、縦横約9mの烽火台は、ほぼ円形の姿で保存されている。

科学的な視点で見ると、火山の噴火時にマグマが噴出していた火口の中心部を観察できる、優れた自然の学びの場でもある。ソプチコジは、この火道から噴出したスコリアが積もってできたもので、ソンドルバウィはその火道内で固まったマグマが形成した岩頸（volcanic neck）だ。火山の噴火を通して陸地が生まれる過程を、間接的に想像できる場所だ。  

ソンドルバウィには、悲しい伝説も伝わっている。 

空から舞い降りた天女に心を奪われた東海竜王の末息子は、100日間の祈りが足りず、天女との結婚を叶えられなかった。悲しみに沈んだ彼は、空から天女が降りてくるのを待ち続け、そこに立ったまま石になってしまった。愛を成就できなかった末息子の切ない思いのせいか、ソンドルの前で愛を誓って結婚すれば、立派な子どもに恵まれるという伝説が伝わっている。